2007年07月12日

西の風 2

黒崎@西の風 2


あるとき友人がこんなことを言う。
探偵は場末を歩いたが、場末に住んでいた訳じゃないだろう。

書棚を捲っていたら、手元にフリスコの冊子が落ちてきた。
中に見覚えのある顔がある。

The Dashiell
Hammett tour
takes visitors
down a dark
alley into San
Francisco's
hard-boiled past

ハメットはサンフランシスコにいたことがあったのか。
確かめようとは思わないが、であっても不思議ではない。
多分10年ほど前、私はそこに行っていた。

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#1921-1929
posted by 黒崎 at 12:17 | TrackBack(0) | 夜話 | 更新情報をチェックする

西の風

黒崎@西の風


もう桔梗が出ていた。
まだ色は薄い。
駐車場に停めてから雨が強くなり、上着が少し濡れた。

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posted by 黒崎 at 12:15 | TrackBack(0) | 夜話 | 更新情報をチェックする

2007年07月10日

梅雨寒

黒崎@梅雨寒


揺れは自分の影である。
漠然とした不安である。
10年経った時、どこで何をしているのか想像がつかない。
5年または3年でも同じだ。
そこへゆこうという気がしない。
いったところで同じだろうともおもっている。
書物は慰謝のために読むが、繋ぎあわせて考えることが苦手で、多分それは実生活と関係が遠いからだろう。なるべく難しいものを買う。
雨の中、蝙蝠傘をさして戻ってきた。
ガラスに映る男の顔が自分だということに納得がいかない。
自分にとって社会とは何なのか、わからないままいくつになる。

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posted by 黒崎 at 22:37 | TrackBack(0) | 夜話 | 更新情報をチェックする

偏光版

黒崎@偏光版


一方からは光を通すが、片方からは無理である。
見えないものを見たつもりになって、結局は自分を語る。
いつも思うのだが、些細だけれども大事なところを見落としていて、実際よりも大きく、または小さく見積もってゆく。
これを詰めの甘さというのだが、35を過ぎると誰も指摘してくれない。
揺れるだけだ。

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posted by 黒崎 at 22:33 | TrackBack(0) | 夜話 | 更新情報をチェックする

2007年07月09日

スペインの石 19

黒崎@スペインの石 19


構造改革の後、この国のかたちは大きく変貌した。
中流崩壊、中流絶滅などと指摘されて久しい。
残るのは君はそのままでいいと囁かれた「オレサマ」の群れであって、彼らの部屋には食器がない。


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posted by 黒崎 at 15:21 | TrackBack(0) | 夜話 | 更新情報をチェックする

スペインの石 18

黒崎@スペインの石 18


いつだったか甘木君に勧められて「莫逆家族」(田中宏)という漫画を読んだ。
ヤンキーの30代。
それにオトシマエをつけようとする物語であるそうだ。
池袋の雑居ビルにはそのバック・ナンバーが並んでいて、セミプロのお姉さんたちが熱心に読みふける。

テーマのひとつは児童虐待である。
父がいなかったり、母がいつも女であったり。
前述の漫画は「バクファミ」と呼ばれるのだが、あたかもそれは、仮想家族を探す旅のようでもあった。

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posted by 黒崎 at 15:19 | TrackBack(0) | 夜話 | 更新情報をチェックする

2007年07月02日

スペインの石 17

黒崎@スペインの石 17


空冷の911と書いても、その尻の姿が分からない。
308と型番を記しても、それが独車なのか英車なのか、俄かに判断がつかない。
分からなくても別にいいのだが、車なんてもなあ、窓開いてエアコン効いてプラグ一本死んでいてもともかく走る、てなもので十分だという説もあって、私も根強くそう考えいるところもある。緩いのもまた楽しい。

それはそれとして、例えばライアルの「深夜プラス1」で、何故シトロエンのDSが出てくるのか。
DSは国粋主義の塊みたいな車だったが、具体的なディティールが分からないと、レジスタンスとの絡みで物語を追う楽しみが減る。
凝りに凝った油圧系統は、マジノ要塞みたいなものだった。

マーロウが当時何に乗っていたか。
レノックスが酔いつぶれていたRRは、今で言えば何にあたるのか。
そして、ハード・ボイルドでも冒険のそれでも、全体として眺めれば緩やかにユーモア小説の一分野ではないかという気もしている。

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posted by 黒崎 at 13:55 | TrackBack(0) | 夜話 | 更新情報をチェックする

スペインの石 16

黒崎@スペインの石 16


仕事場のデスクの上に石が置いてあって、先日戻ると付箋がついていた。
連絡事項である。
取り外して捨てようとすると「オツカレサマでした」と裏側に書いてある。
小さな文字で、カタカナであった。
んん。

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posted by 黒崎 at 13:34 | TrackBack(0) | 夜話 | 更新情報をチェックする

スペインの石 15

黒崎@スペインの石 15


階層とは。
と言えば、書かれていることと現実の世界とのあいだがら。
その「あわい」が読めない。
表現とは元々虚実取り混ぜるものであるが、ブログをイコール日記だと勘違いしてしまう。
かといって、例えば荷風が非公開の日記ですらフィクションを交えていたという史実を知らない。荷風に限ったことではないのだが。

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某月某日。
で始まる「酒中日記」の面白さは、どこまでが本当でどこまでがそうではないのか。
作家あるいは表現者が書く日記形式の読物の隙間から、どれだけのものが読めたり読めなかったりするのか。
読者はその「行間」を覗きこむ能力を問われているのである。
書き手もそこを遊ぶ。


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posted by 黒崎 at 13:29 | TrackBack(0) | 夜話 | 更新情報をチェックする

スペインの石 14

黒崎@スペインの石 14


ところどころ旅に出ていた。
今もやや時差ボケである。
ネットには繋いだり、繋がなかったりする。
このところ、ナルホドなと思うところがあって、ネットというのは一見フラットであるように思えるのだけれども、そういった幻想も実を言えばゆっくりと空洞化しているのではないか。
と、今まで何度か繰り返し書いてきたことの顕在化、あるいは重さを感じることがあった。

実社会と等しく明白な階層化、分化が生じてきている。
それは社会的な属性もしかりだが、端的に言えば文化的階層の問題である。
そのパイの中で、PVやブクマ数を誇ったり分析していたりするのだが、果たしてその読者層は、という問いにはなかなか答えることができない。

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posted by 黒崎 at 13:25 | TrackBack(0) | 夜話 | 更新情報をチェックする

スペインの石 13

黒崎@スペインの石 13


月末は忙しく、来た車でゆっくりと走っていない。
そうこうしていると、銀座裏で当て逃げをされ、フロントが軽く凹んだ。
なんてこったい。
と、ブツブツ言いながら保険の手続きと見直しをしていた。
長く入っていたところから、別のところに移すつもりである。

軽くあてられ指4本に丸、というのはいかにもである。
で、憮然としながら安いウィスキーを嘗めている。


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posted by 黒崎 at 13:23 | TrackBack(0) | 夜話 | 更新情報をチェックする

紫陽花の枝

黒崎@紫陽花の枝


梅雨に入ると、南から風が入ってくる。
暑いのかそうでないのか判然としなく、身体は浮かれたように定まらない。
レースのカーテンを取り替えてみようかと思うのも、この頃である。

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posted by 黒崎 at 13:22 | TrackBack(0) | 夜話 | 更新情報をチェックする

2007年06月26日

スペインの石 12

黒崎@スペインの石 12


億劫なので当分このタイトルでゆくことにした。
友人というか知人には各種業界で活躍されている方が少なくないのだが、その中に頭の上がらない姐御が何人かいて、とりあえず頭を下げる。
赤坂、青山界隈で流れ、歌のある店にゆき「天城越え」などを歌われる。
そらたいしたもんであります。
甘木声ではない。

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posted by 黒崎 at 12:54 | TrackBack(0) | 夜話 | 更新情報をチェックする

スペインの石 11

黒崎@スペインの石 11


ざっと目次を拾ってみる
ムシマニスト? :吉行淳之介
世も末の記 :北 杜夫
夜更けの歌 :開高 健
酒びたり好日 :瀬戸内晴美

ソウソウたる面子なのだが、
わめき酒 :田中小実昌
小実さんの酒 :色川武大

などというところで、私などはにやりとしてしまう。
かといって、まだそこまでは読んでいない。
モッタイナイからである。

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posted by 黒崎 at 12:43 | TrackBack(0) | 夜話 | 更新情報をチェックする

スペインの石 10

黒崎@スペインの石 10


某月某日
で始まる「酒中日記」という本が中公文庫にある。
吉行淳之介編。
数ページを読んでは一旦置き、また適当なところからぱらぱら捲る。
ということを、このところ繰り返していた。
つまり、適宜である。
カタカナで書くと、テキギ。

これは「小説現代」に昭和41年から連載されていたもので、口開けが吉行さんであった。
「こういうリレー連載のトップバッターというのは、なかなか難しい。その書き方によって、連載の性格がきまる面がある」
(前掲:編者あとがき:217頁)。

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posted by 黒崎 at 12:41 | TrackBack(0) | 夜話 | 更新情報をチェックする

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