2007年07月23日

白雨

黒崎@白雨


じきに梅雨があけるのだという。
この休日、家族とともに食事に出た。
この場合は小さな単位という訳ではない。
予約が一杯だったので、恵比寿のホテルにする。
ここもバブルの頃はなかなかのものだったが、今は黒と金がやや落ち着いてきて、そう浮き足立った感じは少ない。
そうでもないか。

隣にレンタルDVD屋があってたまにくる。買い物もデパートの地下ですることがある。
だから新鮮味は全くないのだが、このホテル、駐車場へのスロープが広い。
日弁連とは大違いである。

ロースト・ビーフを二枚食べて、それだけで一杯になった。
お茶漬け食いたい。

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2007年07月21日

女梅雨 5

黒崎@女梅雨 5


先輩に911乗りがいて、随分と影響を受けた。
オイルと消耗品は惜しむな。
という教えである。
またある方はちょっと速い英車を乗り継いでいて、どうしてRなんですと尋ねると、それは君、速い方がいいからだよ、とニベなく言われた。
その方が普段乗られているのは、国産10年以上前の小型車である。
時にはカブで走っておられる。

要はメリハリなのだ。
と気づくのに暫く時間がかかった。
そしてそれは、総体的なもののようである。

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2007年07月20日

女梅雨 4

黒崎@女梅雨 4


細い道をするすると走り、何時の間にか横須賀に出た。
少しばかりブレーキが甘いようで、強く踏むと僅かに振れる。
ブッシュの辺りかと思うが、一度上げてみる必要もあるだろう。

ガスを入れ、燃費を測る。
リッター4から5というところである。先日の渋滞のせいだろう。
スタンドマンがボンネットを開けようとするが、婉曲に断った。
オイル汚れてますよ、という台詞は退屈だからだが、交換した直後でも飴色である。
フロントの空気圧をみてもらう。
何故だか分からないが、牛丼が食べたくなる。

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女梅雨 3

黒崎@女梅雨 3


途中何度か仕事のメールが入る。今のところは放置である。
私は港にいるのだが、この時間、忙しくフォーク・リフトが動いている。
暫くゆくと釣り人がいて、彼は合羽を羽織っている。
バケツを覗き込んでもみるのだが、それはポーズであって、声はかけない。
車に戻り、エアコンで湿った身体を乾かす。
煙草を吸う。
そういえば腹が減った。

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女梅雨 2

黒崎@女梅雨 2


雨はぱらついていたが足を伸ばした。
車で出ていたものだから、そのまま西へ向かったのである。
修理が済んでからほとんど乗っておらず、その馴らしという意味合いもある。
雨の中そう飛ばしはしない。

何時の間にか三崎に出ていて、駅前の自販機でペット・ボトルを買った。
それを飲みながら、城ヶ島の辺りに着く。

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この界隈は北原白秋が暫く隠れていたところである。
不倫騒動を起こし、当時の姦通罪に問われ、失意のまま二年近くを過ごした。
確か石碑のようなものがあったのだが、暗くなっていて見当たらない。

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2007年07月18日

女梅雨

黒崎@女梅雨


という言葉がある。
荒くはなく、いつまでも降り続く雨の様を指す。
季節の端境である。
いわゆるそれはリズムにも似て、三浅一深とか、あれこれの技があるそうだ。

技は技なのであって、それ以上のものでもない。
人生が四谷大塚から教義に流れるのは、なんとなく納得がいくものでもあるのだが、女性の多くは後ろから確かめられることが好きなのだそうだ。
いるのがロクデナシであってもである。

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posted by 黒崎 at 13:27 | TrackBack(0) | 夜話 | 更新情報をチェックする

ぬるい風呂 4

黒崎@ぬるい風呂 4


風呂の中ではたいてい、化粧が落ちるものである。
最近のあれこれの方々や、例えば日活後期の浅岡さんなどはどうするのだろうと少し心配もするのだが、落としてしまえば小さな子供の横顔のようで、案外に鼻も低い。


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ぬるい風呂 3

黒崎@ぬるい風呂 3


あるとき、友人というか知人が自宅に招待してくれた。
黒崎、おまえこれどう思う。
と、見せてくれたのはガラス張りの浴室である。
その先に何が見えるの。
高級老人ホームと宗教団体の屋根。

私は小声で呟いた。
ドシタラヨカロ。
忙しくてさ、俺まともに確認しなかったんだよね。
そうだろうけどさ。ま、こうなったら仕方がない。
ガラス越しに手を振れば。


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posted by 黒崎 at 13:14 | TrackBack(0) | 夜話 | 更新情報をチェックする

ぬるい風呂 2

黒崎@ぬるい風呂 2


暗闇坂の近くには、十番温泉というものがある。
あまりいかない。
知った顔があるからかも知れず、それよりも銭湯の場所だけは記憶する。
記憶したものの、滅多に入ることはなく、それよりも越谷の先あたりで安いモーテルを探す。
あるとき、そうしたところに入ってみると中に出窓のようなものがある。
著作権を無視したような浮世絵の絵柄もあって、ナルホドここは赤線を意図したところだったのだなと気づいた。
金色のラメの入った湯船につかる。
椅子も同じ色なのだが、真ん中が窪んでいて、落ち着きが悪い。
出てからコカコーラを飲んで、電話で焼き蕎麦を注文した。

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ぬるい風呂

黒崎@ぬるい風呂


の中で漠然としているのが好きである。
本を二三冊。
いけないことなのだが、煙草も吸う。
私の今いるところは、どちらかといえば外人向けのそれなので、バスタブが大きい。
仰向けに寝ていると、棺おけのようでもある。

独身妙齢のところにゆくと、シャンプーが何本もある。
全部は使っていないようである。

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2007年07月13日

流れる 3

黒崎@流れる 3


幸田文さんの「流れる」での視点を理解するには、同じく「あとみよそわか」などに目を通しているとわかりやすいかもしれない。
露伴に掃除の仕方、生活の些細なところを躾られた回想の物語である。
拭掃除の時のバケツ。水を一杯に入れて使ってはならない。取り替えることを惜しむな。
「水はこわいものだよ」
と露伴は娘に教える。

この時の仕込みが「流れる」の中で、目利きとしての作者の視線を形作った。
芸者置屋の主人がうなっている義太夫の勘所がわかる。
受け取りの手跡がどうにも見事である。
「あんた、何ものなの」と誰もがいぶかるのだが、このとき幸田さんは独身に戻っていた。

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いわゆる山の手文化というものが仮にあったとして、それは中産階級の成立と時を等しくしている。郊外に伸びる沿線。例えば応接間のある文化住宅。
それを映像の世界で表現していたのが小津安二郎監督だったりするのだが、小津監督の描いたそれも、当時既に喪われた風景であった。

異なる文化、階層からの旅人。
ハードボイルド小説における探偵は、いくつかの街と住人たちを行き来する。それは都市の成立と成熟が前提となっている物語だからだ。
ひとつの事件が終わったとしても、街そのものは変わらない。

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スペインの石 20

黒崎@スペインの石 20


残念ながら、社会の階層化の流れは止まらないという実感がある。
ネット上では、例えばPCと携帯との棲み分け、デジタルプアの問題が囁かれつつあるが、事はそう単純なものでもないようだ。ある部分では逆転現象もみられる。
http://www.johotsusintokei.soumu.go.jp/whitepaper/ja/h19/html/j1342000.html

ネットは一見フラットに見えるのだが、決してそうではない。
静かに棲み分けと細分化が進んでいるような感触がある。
これは文化的な断層と言って良いもので、そこには圧倒的な格差に似たものがあった。
ただそれは、一方からしか見えない偏光版である。

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「日本の貧困研究」(橘木俊詔・浦川邦夫著:東京大学出版会:2006年)という本がある。
著者は京大の先生で、河上肇「貧乏物語」の系譜という側面もあるが、前掲書ではいわゆる近代経済の手法を用い、わが国の経済格差の諸相を分析している。
ちょうどこの本が出た頃、時の竹中総務大臣は「大問題としての貧困というのはわが国にはない」という発言をしていた。
この場合の貧困とは、古典的な飢餓などを指しているのだろう。

「相対的剥奪感」
という言葉が社会学にあって、私も90年代初めに耳にしたことがある。
次に出てきた概念が「社会的排除」という捕らえ方である。
これは社会への参与が実質的にどれだけ奪われているのかを指標として数値化しようとする試みであった。
絶対的貧困と相対的貧困。
という概念は以前から提唱されてきたものだが、それがより深化したものだと考えればよい。

例えば行政からの給付、生活保護などを受けている方が、パートタイムでほぼ最低賃金近くで働いている方々よりも可処分所得が多くなる、といった歪な現象が散見して久しい。いわゆるワーキングプアの問題である。これは生活保護費の切り下げといった負のスパイラルに繋がってゆく。

ネットカフェ難民とは、日雇いのワンコール・ワーカーのことを多くは意味するが、彼ら専用のサイトもあちこちで散見するようになった。
そこに掲載されている広告が世相である。

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出会い系サイトとネットカフェ難民。
SNSとマルチ、またはカルト商法。あるいはカルトそのもの。
それらを支える様々なツール群。そして人物像。
仔細な分析は割愛するが、90年代以降の大きな社会変動というものが背後にはある。
現代的貧困とネット。
その様々な様相を暫く眺めてきた、というようなところだろうか。

posted by 黒崎 at 09:25 | TrackBack(0) | 夜話 | 更新情報をチェックする

2007年07月12日

流れる 2

黒崎@流れる 2


「流れる」というのは、幸田文さんの代表作である。
父、露伴のことを書いてから、それが望外の評価を得、その時に単身者だった彼女は作風に行き詰る。
手元に原本がないのでうろ覚えだが、いわゆる柳橋界隈の花柳界に住み込みで働く。時に47歳である。
甘さのほとんどない描写は、女性版のヘミングウェイ、もしくはハメットに近いと言っても大袈裟でもなかろうか。

芸者は一人分の出前を取る。
バナナひとつ。現金払いである。

ところどころ匂うように的確な描写があった。
例えば媚びながら節度を保ち、崩れ堕ちる女性の柳腰を描いたところである。
実際は柳でもなんでもないのだが、そう見せているところが芸の力なのだと、読者はほぼ10年が経ってから気づいたりしていた。

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posted by 黒崎 at 12:32 | TrackBack(0) | 夜話 | 更新情報をチェックする

流れる

黒崎@流れる


ネットがフラットだというのは全くの嘘である。
ブロックひとつ隔てると、とたんに風情が変わるのが都市というものであるが、都市には隠れ家もあり、ポチを連れた物乞いもいて、億ションもその下にコンビニもある。

皆ほとんど同じものを食べているのだが、無駄の扱いが違う。
ここを節約し、ここを使おうというあれこれの差配だろうか。
この按配というのはなかなか身につくものではなく、例えば食事の仕方ひとつで分かったり分からなかったり。
別れた女への言葉。
酒の飲み方。


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posted by 黒崎 at 12:30 | TrackBack(0) | 夜話 | 更新情報をチェックする

西の風 3

黒崎@西の風 3


例えばあるブログに、ベランダの写真が載っている。
仕事の話も書かれているが、その行間を読めるひとが何人いることか。
が、分からなくてもいいのである。
プロの世界とはそういうものらしい。

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先日六本木の坂道で飲んだ知人がこんなことを言っていた。
数年くらい前から、ネットに情報を流すことをやめたのだと。
何故、と尋ねても答えてくれない。
何時から、とくりかえすと、そうだね個人投資のブームがあったでしょう。
確かそれは、LDの株が暴騰していた頃だったと思う。
今それがいくらになっているか、記すには忍びないのではあるけれども。

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posted by 黒崎 at 12:20 | TrackBack(0) | 夜話 | 更新情報をチェックする

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