2007年02月01日

豪雨の前兆 4

黒崎@豪雨の前兆 4


http://madammizushima.seesaa.net/article/32403378.html
美也子氏のところで興味深い考察がなされていた。
筆は抑えられていて、分かる人にしか分からない仕組みになっている。
私が興味を持った部分を抜粋・引用させていただく
(仔細は原典にあたってください)。

○「責任というのは、基本的に、『自分の側が』したことに対してのみ、あるのだ、ということです」
某所で拾った言葉です。
自分が悪いわけではないのに、相手が不機嫌だったとしたら、それは自分の責任ではありません。
逆に、自分の言動のせいで相手を傷つけたり、誰かに借りを作ったとしたら、その埋め合わせをするのは、自分の責任です。

ところが、幼い子どもというのは、たとえば、親が不幸そうにしていたら、それは自分が良い子でなかったからではないのか、と思って、心を痛めるのです。
しかも、ダメな親というのは、単に不幸な様子を子どもの前に見せるだけでなく、「おまえが悪い子だから自分はこんなに苦労しているんだぞ」「なんて親不孝な子なんだ」などと言います。
また、子どもがいじめられてくると、「いじめられたほうにも悪いことがあるんじゃないのか」と言ったりします。

そんなこんなで、こういう混乱した価値観で対応されて育った人たちというのは、親の不幸や両親の不和やいじめっ子の行いまで自分の責任だと感じ、それに対する責任の重さに圧倒されてすっかりまいってしまうので、自分が果たすべき責任だけを選り分けて、それにきちんと対応していく、ということができるだけの知恵と勇気を、持てなくなってしまっているのです。(引用終)

手放せといった私があれなんですが、今回の成り行きにはどうもやりきれない気分と幾許かの「責任」を感じています(笑)。

――――――――――――――――

○BBさんの今日のエントリにも、責任という言葉が何回か出てきた。
http://d.hatena.ne.jp/BigBang/20070131/p1

>多くの人が注目している会合について、ああいう報道がされたら、その記事が正しいのか、間違っているのか、それを説明する努力をする責任が我々全員にあったと今でも思っている(BB氏発言)。

>懇談会の件は、全てがあなたの責任だとは今は思っていない。(責任がないとももちろん思っていない)(同上)。

上については、既に説明責任は果たされていると私は思う。
下については、では松永さん以外の誰に責任があるのか、私にはさっぱり解らない。
なので

>問題なのは、当事者である松永さんと未だにしっかりとした疎通ができていないことにある。そこは、何とかもう一歩前に踏み出すべきであると考えて、今の局面になっている(同上)。

とBBさんはおっしゃるけれども、私はそれに頷けないのです。
ちょっと話がずれて申し訳ないのですが、この件について語る場合はやむを得ないですよね?
(上記、美和子氏発言)
―――――――――――――――――――――――――――――――――

若い読者に説明すると、上記美也子氏発言の『「責任」(笑)』というのは、いわゆる括弧付のそれである。BB氏の発言を踏まえている。
BB氏の言はこうであった。
http://d.hatena.ne.jp/BigBang/20070131/p1

上記、私が読んでいて、微妙に違和感が残ったのは例えばこの辺りである。
「私は、多少なりとも縁を持った人が攻撃されれば、それをまるで自分に対する攻撃のように受け止める性質がある。友人が侮辱されたり名誉を傷つけられれば、それを自分への侮辱のように感じる性向がある。それは認める。
だが、自分のその苛立たしさををいくら伝えようとしても、伝わらないものは伝わらない。それもわかっている。しかし、これが人格だからそう簡単に変えようがない。あなたが「見せかけの社会正義」を極端に(と見える)嫌悪するのと同様に、私はこうしたときの「人間の卑怯」を嫌う。それだけのことだ。人はみな別の人格なので、こだわりのない人には、いくら説明してもその生理的不快感は伝わらない。それでも何回も伝えないと伝わらないのも事実だけれど」

この、人造の砂粒をかみ当てたような感じをどう説明すれば良いのか。
しばらく考察してみたい。

posted by 黒崎 at 12:45 | TrackBack(0) | 夜話「豪雨の前兆」 | 更新情報をチェックする

2007年01月30日

豪雨の前兆 3

黒崎@豪雨の前兆 3


松永氏は、このところ各地で議論というか結構なモノイイを展開していた。
http://d.hatena.ne.jp/Mr_Rancelot/20070119/p1
http://d.hatena.ne.jp/kerodon/20070107/1168158065#c
http://d.hatena.ne.jp/kerodon/20070121/1169375640#c
http://d.hatena.ne.jp/LondonBridge/20070128
この他にも多々あるが割愛。
松永氏は昨年末に、自分のブログではこの問題についての発言を禁止している。

一方、BB氏は松永氏とのあいだで事前に「総合的な相談」を図り、面談して自分なりの「けじめ」をつけようとしたようである。
http://d.hatena.ne.jp/BigBang/20070127
これがどういうものになるのか、またはならないのか。
恐らく佐々木氏などが二回目辺りから同席し、自著または共著の一部にしてゆくというような、わかりやすい目論見があっても不思議ではないと私個人は感じている。

一方、こちらではこうであった。
http://d.hatena.ne.jp/BigBang/20070129
見舞いにゆくべきだ、会うべきだと盛んに主張していたのは御堂岡氏である。

そして、松永氏は以下のように述べてもいる。
http://d.hatena.ne.jp/eshek/20070129#p1

私の認識では、BigBang氏は「民主党」を守ろうとしていたのだと思っている。
だからこそ「教団」と「党」の関係ではなかった、ということを証明させようと必死だったのだろう、と。彼がこの問題を「問題」にしたのは、その動機が強かったのではないかと感じている。純粋に「松永の未来のため」だけでは、あそこまで「懇談会の参加者として」責任感を感じる必要はないのだ」


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posted by 黒崎 at 18:30 | TrackBack(0) | 夜話「豪雨の前兆」 | 更新情報をチェックする

豪雨の前兆 2

黒崎@豪雨の前兆 2


昨晩、エレニ氏のコメント欄でなかなか興味深いやりとりがあった。
http://d.hatena.ne.jp/Ereni/20070124#p1
全文引用し、記録に留める。

―――――――――――――――――――――――――――――――――

○ 美也子 『まだ対話を試み続けるのかな……。
彼の言ってる事は、脊髄反射や屁理屈ではなく本心だと私は思いますよ。
オウムも同和も同じで、自ら明かさなかったことが欺いたことにはならない。そのことについて自分が果たすべき責任もない。
そう本気で思っていて、彼の属する社会ではそれが通用すると言う。
そういう人に何が言えるの? 言う必要があるの?
泉さんと同じで、彼はとにかく自分の信じるとおりやってみるしかないんじゃない?
躓けば、社会正義の皮を被った悪意に妨害されたって言い続けるんだろうね。
だけど、BBさんやエレニさんの善意は決して目に入らない。受け入れられない。
いつか変わるかもしれないけどね、今はネットで論じ合っても直接対面してもどうにもならないよね。
(あくまでもエレニさんに対してだけ向けた言葉です)』

○ いわし 『脱力してください。そして自己投影することを休むことです。人は、絶対不理解な存在であることを考えてください。誰かを理解することは、あなたもボクもできないのです。どんなに力を入れてもです。不可能なことをすれば自己を傷つけてしまい、結局、誰かを傷つけるだけ。誰かが傷ついている限り答えは見つからないし解決もしません。人を傷つけるのは武器だけではありません。言葉は、武器以上に相手を傷つけることがあります。たぶん、エレニさんがエレニさん自身に優しさを言葉で示すことができれば、エレニさんの言葉を理解しようとおもう人たちが現れます。』

○ さわら 『出た、年末の救世軍w 神はあなたの傍にあります、てか』

○ Ereni 『>美也子さん
ども。しばらくネット遮断してたんで(私はこれを突発的によくやる)あちこち見て回ってた所です。いったんレス入れたんですが、思うところあって消しました。内容的にどうと言うわけでもないのでま、そのまま残してもよかったんですが。
善意だけで言ってるわけでもないんですけどね。今言ってる事は要するに「身の始末をつけないで先に行こうとするな」ということなので。今の状態で公的に説明無しで済ましてそのまま行こうとするなら突っ込まなきゃしょうがないでしょう。
個人的にとか警察公安関係には説明されてるんでしょうけどね。なんか現実の社会とは全く別の観念軸が存在しててうわと言うか。「説明することが社会復帰の必要条件である」ということを説明するスタンスでとどまれなくなってきたと言うか、しかしあのまんま発言されるのはマジちょっとあれです。

見てないうちにいろいろ突っ込まれてますが、普通に「2ちゃんのエントリはお前らにも向けている」というのはせめて隠してくれと思いますが。いうか、名誉毀損メソッドに加えて社会正義メソッドさらに差別メソッド持ち出されたらああああああという。妙に擁護したがる人たちが出てくるんでね、それはご本人の責任ではないですが、これはまた困った事になる。


言い方がどうこうと言う人がいるけれど、状況的に脱会者相手だから本来要求されるべき手順が猶予されている部分も非常に大きいわけで、おっしゃる通り同和まで持ち出してきた部分にはさっき改めて読んでキレました(コメント先に飛べないようにurl貼りません)。

>「あなたはオウムに入信したことがあったのか?」と聞かれて「ない」といったら偽りでしょう。しかし、そうは言っていない。誰もそこを調べなかったからだ。そして、それは「身分」なのか?「士農工商エタ非人オウム」とでも言いたいのか?私は言わないが。でも実際、同和の人たちは、オウムは差別されてもいいが同和差別はいけないって言うんだよな。話がずれたが。「過去の経歴をすべて明らかにしなかった」を「身分を偽った」と言い換え、裁いている。それに気づいてくださいよ、まったくもう。』 (2007/01/23 11:08)(#黒崎註:松永英明発言)

ゆーかテメーはと。調べなかったから答えなかった?リアルでこれ言われたら殴ってたかもしれない。いやまじこれはもう。で、おっしゃる通り本気なんですよね。松永さんの立場であったらどう思うかそれこそ「思考実験」もしてみたりしていたので、おそらくあまり人が思うほど重要に考えてないんだろうなとはわかっていたんですけれども。河上イチロー時代のことでも。』

○ Ereni 『>いわしさん
いや自己投影はしてませんよ。してると言った部分は要するに「状況に対応できない力不足」が他人事ではなかったという事です。受け取られてる事と方向性違うんではないですかね。まあちょっと違う理由もあるんですがこれはいいでしょう。松永さんと同じように責任を取れない人ってのは多くて、美也子さんの言う通り言っても無駄であるという話ではありますが、責任を誰かが取らなければもっと酷い形で他の人間にその責任は降りかかってくるもんなんですよ。しかし向き合えと言っても結局それはその人間の許容量を超える。そこで当事者として場にいた場合は、向き合えと言い募るしかないわけで結果起きるのはむにゃむにゃと言う事ではありますが。こっちが悪いことになってる結果も同じですけれども。まあそのことは思い出しますわね、誰でもそういう思い出っつーか痛みは一つ二つあるでしょう。

上のようなコメントしちゃう意識というのは明らかに駄目なわけで、答えやすいように譲ってもね、それはしょうがないんじゃないですか。松永さんが当初物語を誰に言われるまでもなく書くはずだったという事実は、全く無視するつもりはありませんけれども。というか、こういう事言っても目にはいらないんだよなあちらは。』

○ Ereni 『>「説明することが社会復帰の必要条件である」
説明して形を作っておく事は、今後やっていくにも身を守るためにも最強の武器になるんだけどなーといっても絶対聞かないしな。』

○ 美也子 『>「身の始末をつけないで先に行こうとするな」
それは私も同じ。鮫島さん、黒崎さんにも同じ意識を感じます(なんたら軍といわば言え)。
ただ私は、行けるもんなら行ってみろ、世の中そんな甘いもんじゃねーぞ、ってとこで留まってるんだけど、エレニさんはそのまま進んだ場合に拡大する被害まで想定されているんだね。
うん……確かに、これは私の予測の方が甘いのかも。』

○ matsunaga 『>ゆーかテメーはと。調べなかったから答えなかった?リアルでこれ言われたら殴ってたかもしれない。いやまじこれはもう。

意味わかんない。

>そのまま進んだ場合に拡大する被害

被害だけ持ち出す。意味わかんない。

>説明して形を作っておく事

必要ないところまでやってる余裕ない。意味わかんない。』

○ Ereni 『>松永さん
拡大する被害っつーのはわたしの使った言葉ではないです。美也子さんが曲解してるわけじゃないですが、人の口を通すと私の語感と変わるので迂闊に混ぜないでください。

単純に野田さんの記事が出て、どれだけ衝撃が走ったかあなたには感覚としてわからないでしょう。言うか河上イチロー当時しっかり逃亡しといてからによう言うわ。現実にFという名前であなたは執筆できるはずがなかった。実名の名刺を求められた政党懇談会でも松永名で通し烏山の住所はずっと隠していた。いくら何でも聞かなかったからと言うのは天然ボケで言ってるわけじゃないでしょう。いい加減にしてください。つーかこれ読んだらいくら何でも誰にでも呆れられますよ?

説明の必要ないって、松永さん物語やめちゃった後実質何も書かなくなったから、そのこと聞いてるんでしょうが。松永さんが一度書くはずだったものをもう書かないのかと聞いてるだけなのに、思い付きで鸚鵡返しに答えるからそうなるんですよ。

「てめえの身の始末くらいきっちりつけやがれ」
色々ありますがこの一語に尽きます。』

○ matsunaga 『一つ聞きたい。河上イチロー時代にあなたはどのような関わりがあったのか。当時、うちのサイトを見ていたのか。そうであるかないかによってこちらの反応も変わります。

「逃亡」というのは主観的な言葉です。だって、あれは暴露とか関係なく、サイト閉鎖しようとしていたのだから。

天然ボケ?
いい加減にしてください。「いくら何でも誰にでも呆れられますよ?」って、その「誰にでも」とか言う言い方、何ですか。おかしいですよ。すぐにそういう基準を持ち出す。みんながみんなが言ってる小学生にしか思えません。

それから「松永さんが一度書くはずだったものをもう書かないのかと聞いてるだけなのに」と言いますが、私が閉鎖したときの文章を、わかるまで何度も読んでください。せいぜい1行だから。それが理解できれば、そんな質問は不要です。あの一行は、極めて言葉を選んで書いていますから。

「てめえの身の始末くらいきっちりつけやがれ」
ねえ。それ何て余計なお世話?』

○ Ereni 『閉鎖というのは物語のこと。一度書くはずだったというのは物語の事。OK?

私は昔の読者じゃないですよ。逃亡が違うと言うなら、あなたのおっしゃるほうを尊重しますが、実際に当時あのまま続けることは無理だったでしょ?反破防法をオウムであることを隠してやっちゃったこととかね、ほかにも問題はあるだろうけどその辺はやはり個人相手にどうという問題ではない。

今回はやや違う話ですが、オウムが政治に関わったという時点で公的な問題になる。ここ理解されてないですよね、根本的に。えーとね、あなたは抗弁しているけど、野田さんにアーレフ信者である事をバラされたらやばいことはわかってたわけで、今言ってることは以前松永さんの言ってた認識と違ってるように見えますが。

松永さんは本気で思ってるんでしょうが、差別したとか言われて「はあああ?」と思いますよ。説明してくれというのが差別ってそれはどうにも。

関係ないですが、けろやん完全に閉めたみたいですね。書き込みもできなくなっている。』

○ Ereni 『公的な物の見方も認めない、個人の立場から言われるのもいや。まとめて言えば強制されるのがいやで、自分が嫌いであれば何でも言うよと。
と言って、松永さんが嫌いだからとかいう次元でからむのもNGらしいと。ようわからん。

最初私が相当失礼な態度をしたにもかかわらず、質問に逐次答えていただいたんで、実際に松永さんが内の基準に従っているだけだというのはわかってはいるんですけども。しかしやっぱり聞き方気に食わないっつのはどうにも。』

○ Ereni 『>「みんなが言ってる」と言ってるようにしか見えない。
そうですか、松永さんからはそう見えますか、そりゃまたなんとも慶賀の至り。』

○ matsunaga 『>閉鎖というのは物語のこと。一度書くはずだったというのは物語の事。OK?

当然わかってますが。だから「一行」って言ってるでしょ? OK?

>オウムが政治に関わった

またうかつな書き方をしますね。たとえばオウム信者の住民票不受理で行政訴訟をするのも政治に関わってるだろうし、選挙に行くのも政治に関わってる。
したがって、「政治に関わる」が「公的な問題」というのは意味不明。まあ、上祐は私がそういうのに参加していたというのを聞いてキレましたが。

バラされたらやばいのは仕事の話。
「わかってたわけで」って何を根拠に? なんでそんなことを問題にするのか、当時考えても今考えてもどう考えてもおかしい。

わからんかったら、余計なお世話なんだからどっか行ってください。親切のつもりの余計なお世話が一番鬱陶しい。二番目に鬱陶しいのが「社会」を代弁しているつもりのご忠告。わかる?OK?』

○ matsunaga 『「しといてからによういうわ」という言い方、目の前でされたら、マジでグーで割り箸つかんで目の横殴りますよ。さっきも液晶殴りかけたわ。
親切の押し売りをした上、逆ギレですか。気持ち悪い。ほんまいんでください。』


○ Ereni 『親切のつもりだけではないですよと書きました。こちらが硬い書き方を通しても、そちらの対応は変わらないでしょう。こちらもね、差別しただの同和だの持ち出されたらキレるんですよ。
他人の批判的なたった二回のブクマコメントにも、「往ね」とおっしゃってましたが、確か。

最初から民主党の懇談会に出たのが問題だったんですよ。あなたがわからないと言ったところで。
これ以上ここでやりとりしたところで意味ないでしょうけれども。』

○ Ereni 『というか、一番キレたのは、誰にも聞かれなかったから答えなかっただけと言われたことか。
もうここでのやりとりは終わりということでお互いいいですよね。最悪のおわり方ですが。』


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#強調部は黒崎
posted by 黒崎 at 17:02 | TrackBack(0) | 夜話「豪雨の前兆」 | 更新情報をチェックする

豪雨の前兆

黒崎@豪雨の前兆


再掲してみる。
http://kurosaki-yowa.seesaa.net/article/17050118.html
昨年4月、泉氏による「松永インタビュー」が掲載されたときに書いたものだった。

―――――――――――――――――――――――――――――――――
2006年04月26日
未だ無明の章

黒崎@未だ無明の章

松永インタビュー、一度目を読みました。
これがジャーナリズムかと言えば、決してそうではない。
仲間内で、ジャーナリズムごっこをしているにも似て、問題意識も分析も極めて甘い。
が、個別的にはとても興味深い。そして同時に、とても空虚な後味が残ります。

今回のそれは、佐々木氏、R30氏、泉氏などが、先輩である松永氏のご高説を伺うというスタイルをとっています。
やや大雑把に言うと、皆同じところにいる。仲間である。同類でもある。
ただ得意技が少しづつ違っているに過ぎない。
インタビューというのは、反射的に自分を語ってゆく作業です。
そういった視点から眺めてゆくと、参加されている方々の思想・世界観、実生活での経験やこれからの生き方を暗示している部分もある。苛立ちも。揺らぎも。

またこれは、今ネットや実社会で起きていることの反射的な総体、その断片でもあります。端的に言えば、ネットとカルト。カルトと政治。
90年代終わりに「カルト資本主義」という本がありました。そこにITの要素が加味され、「ITによる未来社会論」「参加型ジャーナリズム」などという幻想がばら撒かれているのがここ一二年です。技術万能論は、ニューエイジ思想の系譜に繋がっていますが、例えばこれがジャーナリズムの世界に援用されますと、「カルト・ジャーナリズム」「カルト民主主義」に簡単に転化してゆく恐れが常にあります。
現実社会での格差が一般的なものとなり、擬似であっても平等でいられるのは今やネットの上でしかない。そこでは誰しもブログを持てるしジャーナリストになれる。投資家にもなれましたね。
ライブドア事件の後、今こうした問題が噴出していることをどう評価すべきなんでしょうか。
そんなことを考えています。


本インタビューは一方で、総力をあげての情報戦の一面もあることに注意した方がいいでしょう。今までネット上で議論になっていた具体的な疑惑についての返答は、何一つされていません。
一例をあげれば、泉氏とご親友ume氏のぶちあげた、報道機関設立の企画書などは、松永氏などの深い影響にあったのではないか。
泉氏に12月までいたというスポンサーは、個人か団体か、またなんの目的だったのか。
オウムとの関係を噂されたことを理由とするume氏の自己退職は事実だったのか。
その原因は黒崎(私ですね)のコメントにあったとされていますが、その箇所の具体的な指摘はされず、裁判の問題であるからと未だ泉氏のブログには掲載されたままです。
時事通信湯川氏の件については、いわずもがな。
何も終わっていないし、明らかにはなっていません。
話は何時も具体的な事実に基づいてすべきでしょう。出来の悪い物語はもう結構かな。
私個人としては、松永氏の精神世界にも興味はありません。


彼らは松永氏の宗教観を拝聴しながら、手垢のついた理論で論点を拡散させてゆこうと
します。曰く信教の自由(佐々木氏)、我が内なるオウム(R30氏)などです。
泉氏を評価する声もあるようですが、私はそれには同意していません。再びプロバガンダの舞台として使われた可能性は大いにある。
いずれにしても、社会性が圧倒的に欠如したインタビューであったことは否めないでしょう。
これがブログ言論の実態だという。そんなことはないので。

―――――――――――――――――――――――――――――――――
posted by 黒崎 at 15:28 | TrackBack(0) | 夜話「豪雨の前兆」 | 更新情報をチェックする

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