2007年07月21日

女梅雨 5

黒崎@女梅雨 5


先輩に911乗りがいて、随分と影響を受けた。
オイルと消耗品は惜しむな。
という教えである。
またある方はちょっと速い英車を乗り継いでいて、どうしてRなんですと尋ねると、それは君、速い方がいいからだよ、とニベなく言われた。
その方が普段乗られているのは、国産10年以上前の小型車である。
時にはカブで走っておられる。

要はメリハリなのだ。
と気づくのに暫く時間がかかった。
そしてそれは、総体的なもののようである。

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posted by 黒崎 at 14:56 | TrackBack(0) | 夜話 | 更新情報をチェックする

2007年07月20日

女梅雨 4

黒崎@女梅雨 4


細い道をするすると走り、何時の間にか横須賀に出た。
少しばかりブレーキが甘いようで、強く踏むと僅かに振れる。
ブッシュの辺りかと思うが、一度上げてみる必要もあるだろう。

ガスを入れ、燃費を測る。
リッター4から5というところである。先日の渋滞のせいだろう。
スタンドマンがボンネットを開けようとするが、婉曲に断った。
オイル汚れてますよ、という台詞は退屈だからだが、交換した直後でも飴色である。
フロントの空気圧をみてもらう。
何故だか分からないが、牛丼が食べたくなる。

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posted by 黒崎 at 17:52 | TrackBack(0) | 夜話 | 更新情報をチェックする

女梅雨 3

黒崎@女梅雨 3


途中何度か仕事のメールが入る。今のところは放置である。
私は港にいるのだが、この時間、忙しくフォーク・リフトが動いている。
暫くゆくと釣り人がいて、彼は合羽を羽織っている。
バケツを覗き込んでもみるのだが、それはポーズであって、声はかけない。
車に戻り、エアコンで湿った身体を乾かす。
煙草を吸う。
そういえば腹が減った。

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posted by 黒崎 at 17:49 | TrackBack(0) | 夜話 | 更新情報をチェックする

女梅雨 2

黒崎@女梅雨 2


雨はぱらついていたが足を伸ばした。
車で出ていたものだから、そのまま西へ向かったのである。
修理が済んでからほとんど乗っておらず、その馴らしという意味合いもある。
雨の中そう飛ばしはしない。

何時の間にか三崎に出ていて、駅前の自販機でペット・ボトルを買った。
それを飲みながら、城ヶ島の辺りに着く。

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この界隈は北原白秋が暫く隠れていたところである。
不倫騒動を起こし、当時の姦通罪に問われ、失意のまま二年近くを過ごした。
確か石碑のようなものがあったのだが、暗くなっていて見当たらない。

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2007年07月18日

女梅雨

黒崎@女梅雨


という言葉がある。
荒くはなく、いつまでも降り続く雨の様を指す。
季節の端境である。
いわゆるそれはリズムにも似て、三浅一深とか、あれこれの技があるそうだ。

技は技なのであって、それ以上のものでもない。
人生が四谷大塚から教義に流れるのは、なんとなく納得がいくものでもあるのだが、女性の多くは後ろから確かめられることが好きなのだそうだ。
いるのがロクデナシであってもである。

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posted by 黒崎 at 13:27 | TrackBack(0) | 夜話 | 更新情報をチェックする

ぬるい風呂 4

黒崎@ぬるい風呂 4


風呂の中ではたいてい、化粧が落ちるものである。
最近のあれこれの方々や、例えば日活後期の浅岡さんなどはどうするのだろうと少し心配もするのだが、落としてしまえば小さな子供の横顔のようで、案外に鼻も低い。


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posted by 黒崎 at 13:16 | TrackBack(0) | 夜話 | 更新情報をチェックする

ぬるい風呂 3

黒崎@ぬるい風呂 3


あるとき、友人というか知人が自宅に招待してくれた。
黒崎、おまえこれどう思う。
と、見せてくれたのはガラス張りの浴室である。
その先に何が見えるの。
高級老人ホームと宗教団体の屋根。

私は小声で呟いた。
ドシタラヨカロ。
忙しくてさ、俺まともに確認しなかったんだよね。
そうだろうけどさ。ま、こうなったら仕方がない。
ガラス越しに手を振れば。


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posted by 黒崎 at 13:14 | TrackBack(0) | 夜話 | 更新情報をチェックする

ぬるい風呂 2

黒崎@ぬるい風呂 2


暗闇坂の近くには、十番温泉というものがある。
あまりいかない。
知った顔があるからかも知れず、それよりも銭湯の場所だけは記憶する。
記憶したものの、滅多に入ることはなく、それよりも越谷の先あたりで安いモーテルを探す。
あるとき、そうしたところに入ってみると中に出窓のようなものがある。
著作権を無視したような浮世絵の絵柄もあって、ナルホドここは赤線を意図したところだったのだなと気づいた。
金色のラメの入った湯船につかる。
椅子も同じ色なのだが、真ん中が窪んでいて、落ち着きが悪い。
出てからコカコーラを飲んで、電話で焼き蕎麦を注文した。

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posted by 黒崎 at 13:12 | TrackBack(0) | 夜話 | 更新情報をチェックする

ぬるい風呂

黒崎@ぬるい風呂


の中で漠然としているのが好きである。
本を二三冊。
いけないことなのだが、煙草も吸う。
私の今いるところは、どちらかといえば外人向けのそれなので、バスタブが大きい。
仰向けに寝ていると、棺おけのようでもある。

独身妙齢のところにゆくと、シャンプーが何本もある。
全部は使っていないようである。

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posted by 黒崎 at 13:11 | TrackBack(0) | 夜話 | 更新情報をチェックする

2007年07月13日

流れる 3

黒崎@流れる 3


幸田文さんの「流れる」での視点を理解するには、同じく「あとみよそわか」などに目を通しているとわかりやすいかもしれない。
露伴に掃除の仕方、生活の些細なところを躾られた回想の物語である。
拭掃除の時のバケツ。水を一杯に入れて使ってはならない。取り替えることを惜しむな。
「水はこわいものだよ」
と露伴は娘に教える。

この時の仕込みが「流れる」の中で、目利きとしての作者の視線を形作った。
芸者置屋の主人がうなっている義太夫の勘所がわかる。
受け取りの手跡がどうにも見事である。
「あんた、何ものなの」と誰もがいぶかるのだが、このとき幸田さんは独身に戻っていた。

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いわゆる山の手文化というものが仮にあったとして、それは中産階級の成立と時を等しくしている。郊外に伸びる沿線。例えば応接間のある文化住宅。
それを映像の世界で表現していたのが小津安二郎監督だったりするのだが、小津監督の描いたそれも、当時既に喪われた風景であった。

異なる文化、階層からの旅人。
ハードボイルド小説における探偵は、いくつかの街と住人たちを行き来する。それは都市の成立と成熟が前提となっている物語だからだ。
ひとつの事件が終わったとしても、街そのものは変わらない。

posted by 黒崎 at 10:39 | TrackBack(0) | 夜話 | 更新情報をチェックする

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