http://web.archive.org/web/20000310044554/http://www.jca.apc.org/kokubai/aum.html
抜粋。
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皆さん、こんにちは。オウム国賠の原告信者団です(元信者含む)。私たちはこの度、警察による不当ガサ等に対して、東京地裁に国賠を起こしました。
オウム真理教に対するガサというと、「当然必要なことだ、警察にはどんどんやってほしい」という方もいるかもしれません。しかし、一連の“オウム事件”の捜査が正式に終結したはずの96年3月以降も、全国の信者の住居等で、毎日のように不当な家宅捜索が繰り返されていたことを皆さんはご存じでしょうか。
住民登録の場所が現実と違っているとか、免許証の記載が違っているとか、業務用カッターナイフを持っていたとかいう些細な「事件」で家宅捜索が繰り返され、しかも「事件」とは全く関係のない信者宅までが広くガサの対象とされていきました。その結果、96年6月22日から97年7月15日までの間だけでも、少なくとも、
・捜索を受けた信者住居等 のべ171カ所
・押収された物 パソコンのべ218台/ハードディスクのべ156台/フロッピーディスクのべ6000枚
というガサが行なわれたのです。
教団施設から追われ、社会に溶け込んで自活していかなければならない信者にとって、ガサを受けることは大きな痛手です。
近隣からの白眼視、取引先・就職先との亀裂、大家からの退去要求、生計を立てるために必要な道具の押収……などなど、信者の生活にダイレクトに悪影響が生じます。また、ガサの際に警官から暴行を受けて、肉体的・精神的にひどいショックを得ることも、たびたびでした。
さらに、押収されてやっと返ってきたパソコンが壊れていて動かない、というケースもあります。パソコンを使った仕事で自活をしている信者には、やりきれない仕打ちです。
一連の事件が起きたことだけでも大変な驚きであり、苦悩していた一般信者らは、その後の警察による違法・不当であからさまな生活破壊という追い打ちによって、2度のショックを受けたわけです。いつなんどき警察からまた無法な生活破壊を被るかと思うと、気が気でなりませんでした。
そんなとき、教団とは無関係の人権運動家の方々によって構成されている「オウム裁判対策協議会」から信者に対して、「国賠を起こして警察や国の責任を追及しませんか」という提案が寄せられました。そこで、私たち信者有志が集まって原告となり、97年8月8日、オウム裁判対策協議会が紹介して下さった横浜弁護士会の梅澤幸二郎弁護士らを代理人として、東京地裁に国家賠償請求を提起したのです。また10月2日にも、さらに1件提訴しました。提訴した事件は合計9件。以下にその概要を示します。
この裁判を通じて、少しでも警察や裁判所などの権力のあり方を世に問うことができればと思います。
【なお、オウム真理教のホームページ(http://aum-internet.org/)の中の「AUM6 裁判」のコーナーもご覧ください。私たち原告の体験談も載っており、事件のことがよくわかるようになっています】
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○事件その5 光が丘署“商売道具”不当押収事件
●原告 福井利器・松葉裕子(両名とも元出家信者)
●被告 東京都・国
●事件の概要 元出家信者の虚偽住民登録に関する捜査と称して、警視庁が、96年11月1日、被疑事実とは無関係の原告福井と松葉の住居を捜索し、両名の自活のために必要な原稿執筆用のパソコン類を押収して、原告らの生活に重大な悪影響を与えた。
●提訴内容 97年8月8日に東京地裁に提訴。違法な令状請求と捜索差押を行なった警視庁(東京都)と、その令状を発付した裁判官(国)の責任を追及し、損害の賠償を求めている。
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