2006年10月03日

無駄について

黒崎@無駄について


何時だったか外苑西通りの坂道に、グレーのXJ-Sが停まっていた。
いわゆるプラチナ通りと呼ばれる辺りである。
その12気筒はオープンで、冬近かったものだからタン色の幌を被せていた。
初老の男性が奥様を待っている。
目の前はスーパーなのだ。

XJ-Sは、低く長く無駄そのものの車である。
その頃から、あれもいいよなと調べ始めた。新車時の価格に比べ中古は不当に安くなっているのだが、それにはカラクリがあって、維持にはマセラティと同じくらい手間とコストがかかる。
中身はDD6と同じだからでもある。
最近少し流行っているのか、まだ30代と思しき男達がDD6に乗っているのをみかける。
手が出しやすいからだろう。紺のブレザーに綿パンなどで走っているが、高速で止まることは半年に一回はあると覚悟していなければなるまい。12ヶ月点検で40〜50.
かといって私も、英書のバイヤーズガイドなどを買っているのだから、似たようなもので、家族の顔を浮かべてかろうじて思いとどまっていた。
首相官邸の傍、あるレコード会社のビル界隈にグレーのDD6が何時も停まっていて、隣のパーキングに入れるときにちらりと見る。内装がすこしヤれていて、伊藤園のお茶のペットボトルが置いてあった。
DD6で仕上げてあるものは500は必要だと言われている。
それで数年持たせるという按配だろうか。となると、少し前のベントレーなども射程に入ってくるのだが、ベントレーでラーメンを食いにゆく訳にもゆかず、人生はバランスなのである。

XJ-Sのオープンは2人乗りである。
一台でまかなう場合、小さくても椅子は4つ付いていた方がいい。
となると、アーデンがコノリーレザーを張りなおしたものしかなく、これが新車時1200とか1400とかである。滅多に数は出ていないが、92年の4ATで300〜程度というのが相場らしい。ここにプラス50〜.
渋谷にある外車屋に、このレーシング・グリーンのものがあって走行が4万台であった。
非常に心惹かれるものがあったのだが、数日に渡る熟考の末、まずはセダンから見ようということにしておいた。
問題は平行輸入だということである。中古並行は本国でどれだけ走っているかが定かではない。ドイツ本国から来たものなどは、平気で10万は走っていることが多い。
また、ディーラーでは一切修理を受け付けてはくれないことにも留意しなければならない。場合によっては部品も買えないこともある。つまりリスクは結構高いのである。

一般に古い車を買う場合、相場の中で一番高いものを選ぶのが秘訣だと言われる。
この辺りは現金なもので、履歴やメンテの記録が確実に価格に反映されているのだった。先に書いた124のE500などでも比較的買いやすいものもあるが、荒れた品物だとあっという間に100や200は飛んでゆく。生産台数に比べてどうもE500の数が多すぎるという話もあって、なんてことはない、同じV8のE400にフェンダーを付け替えただけというものも売られていたりした。

posted by 黒崎 at 05:49 | TrackBack(0) | 夜話 | 更新情報をチェックする
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