2007年07月25日

雨の男 4

黒崎@雨の男 4


ビニ傘とは、割引券のようなものである。
先日小銭入れを開くと、膨大なカードとスタンプが出てきた。
少し時間があったので点検していると、半分は期限切れである。
人生とはそういうものだとセネカ辺りも言っている。

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posted by 黒崎 at 18:02 | TrackBack(0) | 夜話 | 更新情報をチェックする

雨の男 3

黒崎@雨の男 3


なるべく蝙蝠傘は持ちたくない。
少しくらいの雨なら、濡れてもいいだろうと粋がる。
そうは言うがロッカーに、何時買ったか分からないビニ傘が何本もあって、捨てるに捨てられない。

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雨の男 2

黒崎@雨の男 2


不良というのは概ね、夏の日差しが似合わない。
うつむいて歩いたりする。日陰を点々とする。
ぐたぁ、としたりする。

何時だったか忘れたが、銀座四丁目にあるデパートの屋上で妙齢と待ち合わせた。
彼女は30分遅れてきたのだが、私はベンチに座り煙草を吸っていた。
その頃、屋上には子供が遊ぶパチンコ台や乗り物があった。
その後散歩をするのである。

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posted by 黒崎 at 17:59 | TrackBack(0) | 夜話 | 更新情報をチェックする

雨の男

黒崎@雨の男


黒崎さんって雨の男ですよね。
というメールが届いた。
見知った妙齢からである。

彼女は先日近くで飲んでいて、終電を逃し、遠隔地なものだからふらふらとビジネスホテルに泊まる。
知っているところがそこしかないのだという。
何やってんだバカタレ。

だって馬鹿なんだもん。
そんなこともないのだが。素面ではね。

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2007年07月23日

白雨 3

黒崎@白雨 3


「あるいは裏切りという名の犬」
という仏映画がある。
案外に評判で、私も先日眺めてみた。
で、映画の話はしないでおいて、そこに出てくる仏車に流れる。

主人公が出獄してきて、酒場のマダムに匿われる。
死ぬ時は37キロしかなかったという前科者の旦那の車を「勝手に使っていいわよ」ということになり、出てきたのが確かやや古いプジョーの2ドアクーペである。
ヘッドライトが四角く、四つばかりついている。504だったかな。
詳しい方は117クーペを思い出していただきたい。
ジュジアーロのデザインだったか。いや、プジョーだから伝統的にピニンファリーナだったかも知れない。
エンジンは後にV6が積まれた。

プジョーは最近ではややスポーティなイメージがあるが、元々は保守的で質実剛健な車作りを得意としている。
504とかのエンジンは確かOHVで、目覚しい性能はないものの、床まで踏んで一日中走り回ることを得意としていた。サファリなどでも何度か勝っていて、つまりタフである。

ちょうど手元に79年あたりのCGがあり、そこに504のディーゼルの広告と505の新車記事が載っている。504ディーゼルが255万円。最高速が141km.
遅いような気もするが、当時のトヨタ・マーク2の2600の価格が205万、同じく156kmである。
今でこそ楽に200出る車はごろごろしているが、当時実測でそこまで出せる車というのは数える程しかなかった。BMWの323i辺りでも190少しである。
だからどうしたということもないのだが。

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映画の中で、7年ぶりに出獄した主人公の足として、プジョーのクーペはなかなかいい味を出していた。
主人公は元警官なのだが、その現役時代の足は最新型のアルファV6クーペである。これを落差と見るか、時代遅れのオトシマエととるかで映画の見方は変わる。
残念なのは車で飛ばす場面が少ないことで、それがリアリズムとも言えるのだが、敵役は大体ベンツの大型に乗っていた。ミニの1000が転ぶ場面もあって、それは少し辛い。
本作は大筋でフランス暗黒映画の流れを汲む、結構な佳作である。
ジャン・ギャバンと等しく、主人公はジャガイモみたいな顔をしていた。


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白雨 2

黒崎@白雨 2


よく車の雑誌のタイアップ記事などに使われているエントランスがここである。
覚えているのはBMWの大きな奴で、黒服が出迎えていた。
都会的ということなんでしょうカ。
写りがいいから、ということだろうと思われる。

地下3階が満杯でその下に降りる。
ホテルというのはその場所によって停まっている車の車種が違うものだが、ここではランボが三台いた。アウディ系列になってからの奴である。
まあそういうところなんだろうなあ、と思いながら上着を羽織った。

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白雨

黒崎@白雨


じきに梅雨があけるのだという。
この休日、家族とともに食事に出た。
この場合は小さな単位という訳ではない。
予約が一杯だったので、恵比寿のホテルにする。
ここもバブルの頃はなかなかのものだったが、今は黒と金がやや落ち着いてきて、そう浮き足立った感じは少ない。
そうでもないか。

隣にレンタルDVD屋があってたまにくる。買い物もデパートの地下ですることがある。
だから新鮮味は全くないのだが、このホテル、駐車場へのスロープが広い。
日弁連とは大違いである。

ロースト・ビーフを二枚食べて、それだけで一杯になった。
お茶漬け食いたい。

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2007年07月21日

女梅雨 5

黒崎@女梅雨 5


先輩に911乗りがいて、随分と影響を受けた。
オイルと消耗品は惜しむな。
という教えである。
またある方はちょっと速い英車を乗り継いでいて、どうしてRなんですと尋ねると、それは君、速い方がいいからだよ、とニベなく言われた。
その方が普段乗られているのは、国産10年以上前の小型車である。
時にはカブで走っておられる。

要はメリハリなのだ。
と気づくのに暫く時間がかかった。
そしてそれは、総体的なもののようである。

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2007年07月20日

女梅雨 4

黒崎@女梅雨 4


細い道をするすると走り、何時の間にか横須賀に出た。
少しばかりブレーキが甘いようで、強く踏むと僅かに振れる。
ブッシュの辺りかと思うが、一度上げてみる必要もあるだろう。

ガスを入れ、燃費を測る。
リッター4から5というところである。先日の渋滞のせいだろう。
スタンドマンがボンネットを開けようとするが、婉曲に断った。
オイル汚れてますよ、という台詞は退屈だからだが、交換した直後でも飴色である。
フロントの空気圧をみてもらう。
何故だか分からないが、牛丼が食べたくなる。

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女梅雨 3

黒崎@女梅雨 3


途中何度か仕事のメールが入る。今のところは放置である。
私は港にいるのだが、この時間、忙しくフォーク・リフトが動いている。
暫くゆくと釣り人がいて、彼は合羽を羽織っている。
バケツを覗き込んでもみるのだが、それはポーズであって、声はかけない。
車に戻り、エアコンで湿った身体を乾かす。
煙草を吸う。
そういえば腹が減った。

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女梅雨 2

黒崎@女梅雨 2


雨はぱらついていたが足を伸ばした。
車で出ていたものだから、そのまま西へ向かったのである。
修理が済んでからほとんど乗っておらず、その馴らしという意味合いもある。
雨の中そう飛ばしはしない。

何時の間にか三崎に出ていて、駅前の自販機でペット・ボトルを買った。
それを飲みながら、城ヶ島の辺りに着く。

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この界隈は北原白秋が暫く隠れていたところである。
不倫騒動を起こし、当時の姦通罪に問われ、失意のまま二年近くを過ごした。
確か石碑のようなものがあったのだが、暗くなっていて見当たらない。

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2007年07月18日

女梅雨

黒崎@女梅雨


という言葉がある。
荒くはなく、いつまでも降り続く雨の様を指す。
季節の端境である。
いわゆるそれはリズムにも似て、三浅一深とか、あれこれの技があるそうだ。

技は技なのであって、それ以上のものでもない。
人生が四谷大塚から教義に流れるのは、なんとなく納得がいくものでもあるのだが、女性の多くは後ろから確かめられることが好きなのだそうだ。
いるのがロクデナシであってもである。

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ぬるい風呂 4

黒崎@ぬるい風呂 4


風呂の中ではたいてい、化粧が落ちるものである。
最近のあれこれの方々や、例えば日活後期の浅岡さんなどはどうするのだろうと少し心配もするのだが、落としてしまえば小さな子供の横顔のようで、案外に鼻も低い。


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ぬるい風呂 3

黒崎@ぬるい風呂 3


あるとき、友人というか知人が自宅に招待してくれた。
黒崎、おまえこれどう思う。
と、見せてくれたのはガラス張りの浴室である。
その先に何が見えるの。
高級老人ホームと宗教団体の屋根。

私は小声で呟いた。
ドシタラヨカロ。
忙しくてさ、俺まともに確認しなかったんだよね。
そうだろうけどさ。ま、こうなったら仕方がない。
ガラス越しに手を振れば。


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ぬるい風呂 2

黒崎@ぬるい風呂 2


暗闇坂の近くには、十番温泉というものがある。
あまりいかない。
知った顔があるからかも知れず、それよりも銭湯の場所だけは記憶する。
記憶したものの、滅多に入ることはなく、それよりも越谷の先あたりで安いモーテルを探す。
あるとき、そうしたところに入ってみると中に出窓のようなものがある。
著作権を無視したような浮世絵の絵柄もあって、ナルホドここは赤線を意図したところだったのだなと気づいた。
金色のラメの入った湯船につかる。
椅子も同じ色なのだが、真ん中が窪んでいて、落ち着きが悪い。
出てからコカコーラを飲んで、電話で焼き蕎麦を注文した。

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ぬるい風呂

黒崎@ぬるい風呂


の中で漠然としているのが好きである。
本を二三冊。
いけないことなのだが、煙草も吸う。
私の今いるところは、どちらかといえば外人向けのそれなので、バスタブが大きい。
仰向けに寝ていると、棺おけのようでもある。

独身妙齢のところにゆくと、シャンプーが何本もある。
全部は使っていないようである。

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2007年07月13日

流れる 3

黒崎@流れる 3


幸田文さんの「流れる」での視点を理解するには、同じく「あとみよそわか」などに目を通しているとわかりやすいかもしれない。
露伴に掃除の仕方、生活の些細なところを躾られた回想の物語である。
拭掃除の時のバケツ。水を一杯に入れて使ってはならない。取り替えることを惜しむな。
「水はこわいものだよ」
と露伴は娘に教える。

この時の仕込みが「流れる」の中で、目利きとしての作者の視線を形作った。
芸者置屋の主人がうなっている義太夫の勘所がわかる。
受け取りの手跡がどうにも見事である。
「あんた、何ものなの」と誰もがいぶかるのだが、このとき幸田さんは独身に戻っていた。

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いわゆる山の手文化というものが仮にあったとして、それは中産階級の成立と時を等しくしている。郊外に伸びる沿線。例えば応接間のある文化住宅。
それを映像の世界で表現していたのが小津安二郎監督だったりするのだが、小津監督の描いたそれも、当時既に喪われた風景であった。

異なる文化、階層からの旅人。
ハードボイルド小説における探偵は、いくつかの街と住人たちを行き来する。それは都市の成立と成熟が前提となっている物語だからだ。
ひとつの事件が終わったとしても、街そのものは変わらない。

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スペインの石 20

黒崎@スペインの石 20


残念ながら、社会の階層化の流れは止まらないという実感がある。
ネット上では、例えばPCと携帯との棲み分け、デジタルプアの問題が囁かれつつあるが、事はそう単純なものでもないようだ。ある部分では逆転現象もみられる。
http://www.johotsusintokei.soumu.go.jp/whitepaper/ja/h19/html/j1342000.html

ネットは一見フラットに見えるのだが、決してそうではない。
静かに棲み分けと細分化が進んでいるような感触がある。
これは文化的な断層と言って良いもので、そこには圧倒的な格差に似たものがあった。
ただそれは、一方からしか見えない偏光版である。

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「日本の貧困研究」(橘木俊詔・浦川邦夫著:東京大学出版会:2006年)という本がある。
著者は京大の先生で、河上肇「貧乏物語」の系譜という側面もあるが、前掲書ではいわゆる近代経済の手法を用い、わが国の経済格差の諸相を分析している。
ちょうどこの本が出た頃、時の竹中総務大臣は「大問題としての貧困というのはわが国にはない」という発言をしていた。
この場合の貧困とは、古典的な飢餓などを指しているのだろう。

「相対的剥奪感」
という言葉が社会学にあって、私も90年代初めに耳にしたことがある。
次に出てきた概念が「社会的排除」という捕らえ方である。
これは社会への参与が実質的にどれだけ奪われているのかを指標として数値化しようとする試みであった。
絶対的貧困と相対的貧困。
という概念は以前から提唱されてきたものだが、それがより深化したものだと考えればよい。

例えば行政からの給付、生活保護などを受けている方が、パートタイムでほぼ最低賃金近くで働いている方々よりも可処分所得が多くなる、といった歪な現象が散見して久しい。いわゆるワーキングプアの問題である。これは生活保護費の切り下げといった負のスパイラルに繋がってゆく。

ネットカフェ難民とは、日雇いのワンコール・ワーカーのことを多くは意味するが、彼ら専用のサイトもあちこちで散見するようになった。
そこに掲載されている広告が世相である。

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出会い系サイトとネットカフェ難民。
SNSとマルチ、またはカルト商法。あるいはカルトそのもの。
それらを支える様々なツール群。そして人物像。
仔細な分析は割愛するが、90年代以降の大きな社会変動というものが背後にはある。
現代的貧困とネット。
その様々な様相を暫く眺めてきた、というようなところだろうか。

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2007年07月12日

流れる 2

黒崎@流れる 2


「流れる」というのは、幸田文さんの代表作である。
父、露伴のことを書いてから、それが望外の評価を得、その時に単身者だった彼女は作風に行き詰る。
手元に原本がないのでうろ覚えだが、いわゆる柳橋界隈の花柳界に住み込みで働く。時に47歳である。
甘さのほとんどない描写は、女性版のヘミングウェイ、もしくはハメットに近いと言っても大袈裟でもなかろうか。

芸者は一人分の出前を取る。
バナナひとつ。現金払いである。

ところどころ匂うように的確な描写があった。
例えば媚びながら節度を保ち、崩れ堕ちる女性の柳腰を描いたところである。
実際は柳でもなんでもないのだが、そう見せているところが芸の力なのだと、読者はほぼ10年が経ってから気づいたりしていた。

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posted by 黒崎 at 12:32 | TrackBack(0) | 夜話 | 更新情報をチェックする

流れる

黒崎@流れる


ネットがフラットだというのは全くの嘘である。
ブロックひとつ隔てると、とたんに風情が変わるのが都市というものであるが、都市には隠れ家もあり、ポチを連れた物乞いもいて、億ションもその下にコンビニもある。

皆ほとんど同じものを食べているのだが、無駄の扱いが違う。
ここを節約し、ここを使おうというあれこれの差配だろうか。
この按配というのはなかなか身につくものではなく、例えば食事の仕方ひとつで分かったり分からなかったり。
別れた女への言葉。
酒の飲み方。


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西の風 3

黒崎@西の風 3


例えばあるブログに、ベランダの写真が載っている。
仕事の話も書かれているが、その行間を読めるひとが何人いることか。
が、分からなくてもいいのである。
プロの世界とはそういうものらしい。

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先日六本木の坂道で飲んだ知人がこんなことを言っていた。
数年くらい前から、ネットに情報を流すことをやめたのだと。
何故、と尋ねても答えてくれない。
何時から、とくりかえすと、そうだね個人投資のブームがあったでしょう。
確かそれは、LDの株が暴騰していた頃だったと思う。
今それがいくらになっているか、記すには忍びないのではあるけれども。

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posted by 黒崎 at 12:20 | TrackBack(0) | 夜話 | 更新情報をチェックする

西の風 2

黒崎@西の風 2


あるとき友人がこんなことを言う。
探偵は場末を歩いたが、場末に住んでいた訳じゃないだろう。

書棚を捲っていたら、手元にフリスコの冊子が落ちてきた。
中に見覚えのある顔がある。

The Dashiell
Hammett tour
takes visitors
down a dark
alley into San
Francisco's
hard-boiled past

ハメットはサンフランシスコにいたことがあったのか。
確かめようとは思わないが、であっても不思議ではない。
多分10年ほど前、私はそこに行っていた。

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#1921-1929
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西の風

黒崎@西の風


もう桔梗が出ていた。
まだ色は薄い。
駐車場に停めてから雨が強くなり、上着が少し濡れた。

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2007年07月10日

梅雨寒

黒崎@梅雨寒


揺れは自分の影である。
漠然とした不安である。
10年経った時、どこで何をしているのか想像がつかない。
5年または3年でも同じだ。
そこへゆこうという気がしない。
いったところで同じだろうともおもっている。
書物は慰謝のために読むが、繋ぎあわせて考えることが苦手で、多分それは実生活と関係が遠いからだろう。なるべく難しいものを買う。
雨の中、蝙蝠傘をさして戻ってきた。
ガラスに映る男の顔が自分だということに納得がいかない。
自分にとって社会とは何なのか、わからないままいくつになる。

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posted by 黒崎 at 22:37 | TrackBack(0) | 夜話 | 更新情報をチェックする

偏光版

黒崎@偏光版


一方からは光を通すが、片方からは無理である。
見えないものを見たつもりになって、結局は自分を語る。
いつも思うのだが、些細だけれども大事なところを見落としていて、実際よりも大きく、または小さく見積もってゆく。
これを詰めの甘さというのだが、35を過ぎると誰も指摘してくれない。
揺れるだけだ。

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2007年07月09日

スペインの石 19

黒崎@スペインの石 19


構造改革の後、この国のかたちは大きく変貌した。
中流崩壊、中流絶滅などと指摘されて久しい。
残るのは君はそのままでいいと囁かれた「オレサマ」の群れであって、彼らの部屋には食器がない。


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スペインの石 18

黒崎@スペインの石 18


いつだったか甘木君に勧められて「莫逆家族」(田中宏)という漫画を読んだ。
ヤンキーの30代。
それにオトシマエをつけようとする物語であるそうだ。
池袋の雑居ビルにはそのバック・ナンバーが並んでいて、セミプロのお姉さんたちが熱心に読みふける。

テーマのひとつは児童虐待である。
父がいなかったり、母がいつも女であったり。
前述の漫画は「バクファミ」と呼ばれるのだが、あたかもそれは、仮想家族を探す旅のようでもあった。

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2007年07月02日

スペインの石 17

黒崎@スペインの石 17


空冷の911と書いても、その尻の姿が分からない。
308と型番を記しても、それが独車なのか英車なのか、俄かに判断がつかない。
分からなくても別にいいのだが、車なんてもなあ、窓開いてエアコン効いてプラグ一本死んでいてもともかく走る、てなもので十分だという説もあって、私も根強くそう考えいるところもある。緩いのもまた楽しい。

それはそれとして、例えばライアルの「深夜プラス1」で、何故シトロエンのDSが出てくるのか。
DSは国粋主義の塊みたいな車だったが、具体的なディティールが分からないと、レジスタンスとの絡みで物語を追う楽しみが減る。
凝りに凝った油圧系統は、マジノ要塞みたいなものだった。

マーロウが当時何に乗っていたか。
レノックスが酔いつぶれていたRRは、今で言えば何にあたるのか。
そして、ハード・ボイルドでも冒険のそれでも、全体として眺めれば緩やかにユーモア小説の一分野ではないかという気もしている。

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スペインの石 16

黒崎@スペインの石 16


仕事場のデスクの上に石が置いてあって、先日戻ると付箋がついていた。
連絡事項である。
取り外して捨てようとすると「オツカレサマでした」と裏側に書いてある。
小さな文字で、カタカナであった。
んん。

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スペインの石 15

黒崎@スペインの石 15


階層とは。
と言えば、書かれていることと現実の世界とのあいだがら。
その「あわい」が読めない。
表現とは元々虚実取り混ぜるものであるが、ブログをイコール日記だと勘違いしてしまう。
かといって、例えば荷風が非公開の日記ですらフィクションを交えていたという史実を知らない。荷風に限ったことではないのだが。

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某月某日。
で始まる「酒中日記」の面白さは、どこまでが本当でどこまでがそうではないのか。
作家あるいは表現者が書く日記形式の読物の隙間から、どれだけのものが読めたり読めなかったりするのか。
読者はその「行間」を覗きこむ能力を問われているのである。
書き手もそこを遊ぶ。


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posted by 黒崎 at 13:29 | TrackBack(0) | 夜話 | 更新情報をチェックする

スペインの石 14

黒崎@スペインの石 14


ところどころ旅に出ていた。
今もやや時差ボケである。
ネットには繋いだり、繋がなかったりする。
このところ、ナルホドなと思うところがあって、ネットというのは一見フラットであるように思えるのだけれども、そういった幻想も実を言えばゆっくりと空洞化しているのではないか。
と、今まで何度か繰り返し書いてきたことの顕在化、あるいは重さを感じることがあった。

実社会と等しく明白な階層化、分化が生じてきている。
それは社会的な属性もしかりだが、端的に言えば文化的階層の問題である。
そのパイの中で、PVやブクマ数を誇ったり分析していたりするのだが、果たしてその読者層は、という問いにはなかなか答えることができない。

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スペインの石 13

黒崎@スペインの石 13


月末は忙しく、来た車でゆっくりと走っていない。
そうこうしていると、銀座裏で当て逃げをされ、フロントが軽く凹んだ。
なんてこったい。
と、ブツブツ言いながら保険の手続きと見直しをしていた。
長く入っていたところから、別のところに移すつもりである。

軽くあてられ指4本に丸、というのはいかにもである。
で、憮然としながら安いウィスキーを嘗めている。


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紫陽花の枝

黒崎@紫陽花の枝


梅雨に入ると、南から風が入ってくる。
暑いのかそうでないのか判然としなく、身体は浮かれたように定まらない。
レースのカーテンを取り替えてみようかと思うのも、この頃である。

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posted by 黒崎 at 13:22 | TrackBack(0) | 夜話 | 更新情報をチェックする

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