3000年05月15日

豪雨の前兆 52

黒崎@豪雨の前兆 52
「オウム特有の話術の集大成」


「オウム真理教の実態と『無差別大量殺人を行った団体の規制に関する法律』の解説」
(治安制度研究会編著:立花書房:平成12年 2000年発刊)に以下のような記述がある。

「信者の公判状況
組織犯罪に関与した信者に対しては、平成11年10月までに起訴された189人のうち、160人が懲役刑、86人が執行猶予付懲役となっている。(法務省まとめ)#
公判廷での信者は、地下鉄サリン事件における殺人・殺人未遂等6事件で起訴され(「従来の基準で言えば死刑以外にあり得ない」とまで言われながらも)無期懲役が確定(平成10年6月)した元医師・林郁夫(判決時51歳)にみられるように、判決において「凶悪な組織犯罪の全容解明につながる刑法上の自首にあたる供述をした」、「将来その組織犯罪防止に役割を果たした」との評価を与えられ、さらに他の被告の公判に証人出廷している例もある。

一方、地下鉄サリン事件等で八事件で起訴されている元教団顧問弁護士・青山吉伸(昭和35年生)にみられるように、「オウム特有の話術の集大成といえるやりとりで、責任転嫁と話題のすりかえ、自らこそが被害者との主張、120%の権利主張と社会的責任感の欠如、やたらと長い自己主張、前提を説明するフリのごまかし、教義や修行の話に持ち込む」といった特徴を見せる者もいると伝えられている(「週刊読売」平成10年11月29日号、もうひとつの証人席:江川紹子)」
(前掲:14頁)

#平成12年の段階であることに注意。
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前掲書は、その性格からして主に警察関係者にとっての定本、教科書のような存在である。
立花書房のサイトでは「公安・警備関係」と分類された中に位置していた。
http://www.tachibanashobo.co.jp/blog/category09/

さて引用部の後半、分かりやすくするために改行を加えてみる。

オウム特有の話術の集大成といえるやりとりで、
責任転嫁と話題のすりかえ、
自らこそが被害者との主張、
120%の権利主張と社会的責任感の欠如、
やたらと長い自己主張、
前提を説明するフリのごまかし、
教義や修行の話に持ち込む


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青山吉伸の公判の印象を、江川氏は端的にこうまとめている。
警備・公安関係者と江川氏は、必ずしも全ての局面で友好的であるとは言いがたい。
そのことを思い出していただけば、前掲書において、ほぼ例外的に本文中に引用されていることの意味もお分かりになるだろうか。
立場は微妙に異なっていても、上記指摘が一定の普遍・妥当性を持つものであることは言を待たないのである。

私はこの箇所を読んだとき、なるほどそういうことであるのか、と合点がいったことを覚えている。
今にして思い返せば、これらの指摘はほとんど全て、本件における松永氏の言に当てはまるものだった、という印象が濃い。#

#後の読者に。
「夜話」内 カテゴリー「豪雨の前兆」を遡るとその主要部分が理解される。
http://kurosaki-yowa.seesaa.net/category/3467066-6.html

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2007年09月27日

暗闇坂ノボル

黒崎@暗闇坂ノボル


馬車道でお粥を食べた。
飲み物は、と尋ねられて「水」と答えた。
それから、あ、軽い奴。
と言い添えると、彼は唇を斜めに笑った。
そのまま出てくる水は、重いのである。

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posted by 黒崎 at 17:48 | TrackBack(0) | 夜話 | 更新情報をチェックする

暗闇坂クダル

黒崎@暗闇坂クダル


今乗っている車は都内のナンバーではない。
別にいいんじゃないかな、という気がしてその時に近いところで取った。
車を現金で買う馬鹿はいないので、所有者は勿論あちらこちらである。
主たる使用者も、必ずしも私という訳ではない。
この辺り、車を複数台所有して、任意保険にいくつか入っている方ならばお分かりになるだろうか。
今いる辺りの駐車場を眺めると、何台かが濱ナンバーだったりするが、それもそういうことなのだろう。
ただまあ、近いうちにこちらで取り直すつもりである。
フロントがちょっと曲がっているのであります。

誤解を招く言い方だが、住所というのは基本的に複数あってもいいものらしい。
日本は一元主義ではないと聞いたことがある。
免許に記載されたそれと、パスポートのそれが違っていても原理的には問題がないことになる。管轄が違うわけである。
更新の時に言われるのだが、はあ、山の神がふたつあるもので、とか答えると、受付が30を過ぎた妙齢の場合、笑うのだそうだ。


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暗闇坂

黒崎@暗闇坂


暫く外に出ていた。
やや時差ボケである。
空港の駐車場に置いた車がちょっと悪戯されかけていて、監視カメラの確認でとまどった。
オイルが廻るまで、ウォッシャーを何度かかける。
筋が残り、ゴムの替え時かもしれない。
高速を流していると、すると西の空が綺麗である。


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2007年09月06日

夏の終わりのB.5 8.

黒崎@夏の終わりのB.5 8.


連れは、いわゆる業者ではない。
鎌倉高校前のバス停で降ろして、という。
馬鹿なこというなよ。私は無視をした。
近くまで送るのだが、家も部屋も知らない。


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posted by 黒崎 at 03:07 | TrackBack(0) | 夜話 | 更新情報をチェックする

夏の終わりのB.5 7.

黒崎@夏の終わりのB.5 7.


暫くしてホテルに戻り、フロントの妙齢その後に烏龍茶を持っていった。
いいんですよ、と言いながら、それは監視カメラがあるからである。
私たちは短く眠る。
明け方、隣を見ると、女は口を薄く開いていた。

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夏の終わりのB.5 6.

黒崎@夏の終わりのB.5 6.


今時の江ノ島界隈はからっぽである。
六月の高原のようで、少しばかり空が曇ってもいる。
好きなように歩けばいいのだが、女は海を怖がる。

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夏の終わりのB.5 5.

黒崎@夏の終わりのB.5 5.


欲しければ獲ればいいのだが、そうもゆかない。
フロントに電話をして会計を済ませ、少し外に出た。
そこは夏の終わりの海である。
砂は黒く、磁石に紐をつけて歩いたら棘のようなものが集まる。


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夏の終わりのB.5 4.

黒崎@夏の終わりのB.5 4.


別にいいんじゃないか。
でも、あれもこれも欲しいのよ。

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posted by 黒崎 at 03:02 | TrackBack(0) | 夜話 | 更新情報をチェックする

夏の終わりのB.5 3.

黒崎@夏の終わりのB.5 3.


女は慣れている。
ふくらはぎの辺りが骨ばっていて、立つと膝頭が出ている。
だからなに。
わたしね、20の頃はこうだったの。

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posted by 黒崎 at 03:01 | TrackBack(0) | 夜話 | 更新情報をチェックする

2007年09月04日

味について

黒崎@味について


若い頃、顎の尖った痩せた女が好きだった。
30代半ばくらいからだろうか、少しだけ好みが変わる。
希望というのは下腹にあるのではナイダロウカ。
臍に指を入れ、どれだけ入るかで遊ぶ。
あんた何やってんの、駄目じゃない。

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70年代全共闘全盛の頃合、滝田修氏というアジテーターがいた。
地下に潜り、10数年を過ごす。
いわゆる、あの当時の風俗のイコンのような存在である。
私は川崎駅前にある古本屋で求めた本を、壊れかけたソファの上で読んでいた。
当時、現場界隈にはその方面の方々が随分と流れる。
コンビナートの夜景は綺麗である。


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posted by 黒崎 at 02:37 | TrackBack(0) | 夜話 | 更新情報をチェックする

夏の終わりのB.5半

黒崎@夏の終わりのB.5半


胸の薄い女と寝る。
鎖骨の辺りに水が溜まって、子供の頃、歯の矯正をしただろうかとおもう。
私は足首を掴んで煙草を吸っていた。
下にある自販機まで買いにゆかせる。

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posted by 黒崎 at 02:19 | TrackBack(0) | 夜話 | 更新情報をチェックする

夏の終わりのB.5

黒崎@夏の終わりのB.5


江ノ島辺りで一晩を過ごした。
そろそろモーテルは空いていて、何時買われたのか分からないパック入りの緑茶を飲む。することもなく、モザイクのかかった大型TVを眺める。
まあこれは見世物というか、サーカスなのだが、そういえば腹が減った。

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posted by 黒崎 at 02:18 | TrackBack(0) | 夜話 | 更新情報をチェックする

2007年08月25日

濃色のサーブ 3.

黒崎@濃色のサーブ 3.


サーブが持っている屈折というのは独特のものである。
例えば北欧家具のすわり心地、あるいはその造りを思い出してもらえば分かるだろうが、決して精緻なものではない。基本的に高級品とは呼びにくいものである。
私は北欧のスタンドをいくつか使っているが、アクリルかプラスチックの成型は独特で、類似するデザインのそれとは僅かに厚みが違う。
かといって、幾層にも塗り分けたそれでもない。

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かつてのスバルにも似た音をさせ、サーブの古いものが角を曲がってくる。
運転しているのは30代後半か40代初めの女性である。
ご主人の趣味でいやいや乗っているという雰囲気には見えなかった。
ちょっとこういう世界は困るので、例えばこちらが優先だとしても私は道を譲ることにしている。
posted by 黒崎 at 14:17 | TrackBack(0) | 夜話 | 更新情報をチェックする

濃色のサーブ 2.

黒崎@濃色のサーブ 2.


古いサーブをちゃんと走るように持ってゆくのは、例えばAMGや911、あるいはXJRなどとはまた違った神経の使い方を必要とするのだろう。
皆それぞれ違うものだけれども。
少しくらい汚れていた方がいいのだが、そして特別高いオイルでなくてもいいのだが、元がそう高価な車ではないものだから、一定の粗さを飼いならすセンスが必要とされるのかもしれない。

が、しかし。
東京や横浜の一部ではうかうかできない方々がおられるもので。
先日、暗闇坂からあれこれした辺りでBMWのE28が停まっていた。どうも3.5リッターの奴である。これも結構速い。
その後ろはXJ-Sの12発だった。
どちらも極めて程度がよく、34度近くあった外気にも関わらず、例えばそのジャガーは海老茶色でアイドルをしている。
つまりエアコンが効くということである。
不当に安価なXJ-Sの中古価格を思い出しながら、私は仕事中だった。

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posted by 黒崎 at 14:15 | TrackBack(0) | 夜話 | 更新情報をチェックする

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